とりい動物クリニック 静岡県富士市の動物病院

静岡県富士市南松野59 TEL 0545-56-3030 FAX 0545-56-3033

Topics

狂犬病の予防の必要性。重要性。

はじめに

狂犬病は人獣共通感染症(人も動物も同じく感染する病気)であ り、人に感染した場合、現在の医学でも治療方法は全くなく、100%近い確率で死亡してしまいます。狂犬病予防注射は犬のために打つものではなく、人間 (ヒト)が狂犬病にかかることを防ぐために、犬に接種するものです。

そのために犬の登録・狂犬病予防注射は法律(狂犬病予防法)により犬の飼主に義務が課せられています。

現在、日本では昭和31年以後の狂犬病の発生はありません。一方海外では一部の国を除き世界各国で発生しており、国際交流が盛んになっている現在、狂犬病がいつ日本に侵入してくるかはわかりません。

狂犬病 rabies
狂犬病の背景
診断と治療

厚生労働省のHPより引用させていただきました。

http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/page_i/i04.html
狂犬病予防注射の概要

ここでは動物病院で受ける一般的な個別注射について説明致します。

なぜ狂犬病予防?

よく狂犬病予防注射に連れてこられた飼い主さんよりこのような質問を頂きます。
「家の犬は室内飼育だから注射は必要ないでしょうか?狂犬病は既に日本では撲滅されているとき聞きますがそれでも予防する必要が有りますか?」
これらの問いかけに関しては以下の記事がその問題の深刻さを象徴していると考えます。

なんだかぞっとする現実です。こういった現状が認められる以上は狂犬病がいつ日本に上陸するか分からないと言っても過言ではないはずです。

更にこういった情報も有るようです。

1988 年のフィンランドのように流氷を渡っての動物の侵入や、輸入品に紛れ込んでくる小型のげっ歯類による場合も考えられます。(源教授)。(流氷とは北のほう から氷が流れてくるのではなく海の表面が凍ってできたもので、一面に氷が張るとその上を歩いて来られるようです。)

知らない間に日本に狂犬病が上陸している可能性だって否定は出来ません。

現在日本に狂犬病がはいってきたら・・・

狂 犬病の大流行は、70%以上が抗体を持つ集団ではないとされています。登録されている犬の80%がワクチンを接種していますが、登録していない犬を含める と50%ぐらいと試算されています。この状態で狂犬病が発生したら、大流行の可能性があります。(登録していない犬は頭数が把握出来ないので、あくまで予 測数です。)

BSEが日本で発生した時と比較して、更に大きな混乱とパニックを招くと予測されます。

よって日本で飼育されている犬の頭数をきちんと把握する為に、市町村への登録が必要なのと、狂犬病予防注射の徹底が必要な状況と考えられます。

http://www.tarowan.com/rabies.html
記事の一部は上記のサイト(TARO’S CONNECTIONさん)より引用させていただきました。

最後に

狂犬病は現在、撲滅され危険性の少ない病気という認識が強いかと思います。しかし危険性が少ないという認識がかえって日本に大混乱を招きかねない状況を生み出しかねません。

  1. 日本に寄港する外国船から検疫を受けていない犬が上陸しています。
  2. 国際的な物流が盛んになり、輸入品に紛れ込んだねずみなどによりウイルスが持ち込まれる可能性があります。
  3. 猫、アライグマ、キツネ、スカンクも平成12年より検疫を受けるようになりました。しかしそれ以前に輸入されたものは検疫を受けていません。フェレット、ハムスター、マングースやこうもりは現在も検疫の対象にはなっていません。(すべての哺乳動物が感染します。)
  4. 流氷に乗って動物が入ってくる可能性があります。

飼育環境に関係なく全ての犬に対して狂犬病の予防注射が必要です。ただし犬の健康状態によっては注射接種に制限が加えられることが有りますので、御心配な場合は動物病院で狂犬病予防注射適用が可能かどうかを尋ねられることをお勧めします。

健康状態が芳しくない場合は、狂犬病予防注射の注射猶予証(狂犬病予防注射を打たなくても良いという証明書)も発行出来ます。

現在、狂犬病の予防注射比率が50%程度、深刻な状況を生み出す可能性が続いているものの未だその比率が上がってきません。(一度狂犬病が日本に上陸したら予防の必要性が痛感出来るのでは・・・)なんて話が出ているかどうかは別ですが、そのくらい状況は深刻のようです。