はじめに
近年の家電製品のデジタル化は目覚ましいものがありますよね。
テレビでも2011年7月24日に既存のアナログ放送が終了し地上波デジタル放送へ完全移行しますよね〜
私はカメラが大変好きなのですが、フィルム式カメラ(の素晴らしさも勿論あるのですが・・・)ではなく、デジタル式のカメラを用いるようになってきております。
それどころか、フィルム式からデジタル式になって、カメラ熱に火がついたと行っても過言ではありません。(笑)
前置きはそのくらいにしておいて・・・
我々の日頃使っている医療機器にもデジタル化の波が次々押し寄せてきているのです。
その主体は画像診断に用いているデータにあります。以前はフィルム式の写真をカルテに貼付けたり、撮影したレントゲンフィルムの保管場所を作り、その都度膨大な枚数のフィルムの管理を行っておりました。
フィルム管理が意外と大変なんですよね〜
撮影した後はフィルムがバラバラにならないように、それぞれにシールをつけて、フィルム用の袋にきちんと入れて保管します。
枚数が多くなると、それらを保管場所に移動するのですが、(病状の経過観察などを行う為に)古いフィルムを見たいときなど、引っ張りだしてくるのも大変なのです。(笑)
それらをきちんとやってくれるスタッフの皆には頭が下がります。
導入に時間がかかったのは勿論ですが、躊躇した理由としては・・・
- (悩み1)導入にかかるコスト・・・
- (悩み2)画質の問題・・・(フィルムと同様の画質を保つことができるか?)
を考えましたが
- (メリット1)データーの取り扱いが簡単になる。
- (メリット2)フィルム式に比べてスピードが速い
- (メリット3)フィルム式に比べて安定した画像が得られる。
- (メリット4)スタッフの仕事が軽減される。
- (メリット5)現像液など化学薬品が無くなることで、周辺の機器が壊れなくなる。(以前に現像液から発生する強力な酸でレントゲン撮影装置を壊してしまった為・・・)
最終的に導入に踏み切りました。
導入に至った最後の一押しは
- コスト面で以前と比べて導入しやすくなったこと。
- CRの機器からmac用の画像診断用のワークステーションとして利用できるようになったこと。とオープンソースプログラムですが販売業者のサポートがある程度は・・・得られそうだったこと。(これが決め手でした。)
導入したのが、
ケアーストリームヘルスという会社のケアーストリームVita CRシステム。
caarestream VitaVitaは当院で購入したときはまだ、発売されて間もない時期だったようです。(新製品で良かった〜)
当院での利用環境
まずはレントゲン室の全体像です。写真1,写真2
この部分はCRの導入があってもほとんど変更はありません。
次にCRの説明です。写真3
- CR読み取り機本体(中央の白くて大きい機械)
- 画像取り込み用のパソコン(これはwindowsの普通のパソコンです。)
- データーを各診療室に送信する為の機械。
- 緊急用のバッテリー
などで構成されています。

使用方法
病院の猫のはじめ君にモデルになってもらいました。
写真4 は以前のフィルム式のときとほぼ変わらないカセットです。

これにレントゲンを照射するのです。
以前はこの中にレントゲンフィルムが入っており(フィルム式のカメラと同じです。)撮影後に(真っ暗の)暗室の中でフィルムを取り出して現像していました。
CRの場合はカセットの中にイメージングプレート(IP)なるものが入っており、それが照射されたレントゲン強弱の情報を記憶します。
撮影方法もフィルム式と何ら代わりはありません。(撮影条件設定(患者さんの体格や撮影場所により照射するレントゲンの強さや、時間を設定すること)が若干変わっただけです。)
写真5 まずは胸の写真を横向きで撮影!!
写真6 仰向けでも撮影します!!

特別撮影手段には
大きな変更はありませんので、フィルム時代と同じやり方です。
IPの入ったカセットを写真7 のCR読み取り器に入れて画像情報を読み取ります。
読み取られた画像情報は、CRシステムのパソコン(WindowsPC)に一旦保存され、画像の最適化などを行い表示します。写真8 そのご画像を蓄えるサーバーパソコン(当院ではmac)に送信するのです。

レントゲン室で
CRシステムによって得られたデジタルデーターはWindowsPCから両診察室の2台のmacに送信されます。
写真9 今まではシャーカステンという機械をもちいてレントゲンフィルムを蛍光灯の光で、すかしてみていたのですが、いまはパソコン画面を見ます。
画像がフィルム式に比べると・・・どうしても画質までは同じとはいかないようです。
かなり近いクオリティまではいっているようですが・・・写真10

どうかなあ?
データーの扱いがとっても楽になりましたので、コストを掛けて導入しましたが、良かったんだと思います。
画質に関しては、macモニターの隣にモノクロディスプレーをおいて同時に評価するのが良さそうです。
(imacなので、ディスプレー交換というわけにはいかない・・・)